保健師、公認心理士、衛生管理者について

医療の人々保健師, 公認心理士, 衛生管理者

病院には様々な職種の方々が働いています。今回はその中でも主に健康相談や、メンタルヘルス、職場環境など患者さんや職員の体と心のケアや支援を行う方々を調べましたので紹介しようと思います。

保健師

保健師は看護職の一つで、人々が健康な生活を送れるように保健指導を行う職種です。 健康状態の改善の支援や、健康課題の解決のため家庭訪問や健康相談、指導・教育、予防医療の育成などを行います。

また、職員に関しても健診結果を確認して、受診を勧めたり生活習慣の改善を行ったり、「眠れない」「疲れが取れない」などの相談にも応じてくれます。

なるには

看護職の一つなので、看護職の基盤となる看護師国家試験に合格する必要があります。 https://hospital-se.work/people-nurse/

その上で、1年以上の教育を受けて保健師国家試験に合格する必要があります。  ※看護大学の中には看護師に加えて、保健師・助産師の国家資格受験資格を得られるところがあるそうです。

3年以上の年以上の看護系学科の修了と看護師国家試験への合格に加えて、さらに1年以上の教育と保健師国家試験への合格が必要となるので、なかなかにハードルが高そうに思えます。

保健師へのなり方

看護師の国家資格があれば、保健師・助産師への職種変更や、認定看護師や診療看護師など更に専門性を高める道もあるので、いろいろなやりがいが見つけられるかもしれません。

働く場所

市区町村などの自治体が半分以上を占めているそうで、行政保健師として住民の保健指導を行なっています。

そのほかにも病院や診療所などの医療機関、企業や学校、介護・福祉関連施設などでその所属する団体の健康管理を行なっている方もおられます。

ちなみに小学校の保健室にいる先生は養護教諭となっていて、保健師ではなれません。しかし、保健師から養護教諭へのキャリアチェンジへの道もあり、養護教諭の教職課程を受けて養護教諭第一種免許状か、都道府県の教育委員会に申請して期限付きの第二種免許状を取得することでなることができます。

保健師の資格があれば必要な単位や科目数が決まっているので、養護教諭にもなりやすいと思います。

公認心理士

公認心理士は、2017年施行の公認心理師法によって心理職の国内唯一の国家資格として誕生した、心理学の知識と技術を用いて心の問題を抱えた人に対して援助をおこう専門家です。

心理的な問題を抱えた相談者や患者に対してカウンセリングを行い、心理相談や心理状態を観察し、その結果を分析、助言・指導その他の援助を行なって問題解決に導きます。また、個々の健康に関する知識の普及を図るために教育及び情報提供などを行なっています。

公認心理士が新設される以前は、民間資格である臨床心理士が一般的だったのですが、2018年度より公認心理師のみが診療報酬の加算対象として限定されるようになったそうです。

なるには

公認心理士となるには、公認心理士国家試験に合格する必要があります。 大学や専門学校で必要な科目を修了した後、大学院での所定科目の修了・実務経験を得た後に公認心理士国家試験の受験資格を得ることができます。

働く場所

働く場所としては、精神科病院(診療所)または一般病院(診療所)が主な勤務先として挙げられます。他職種連携でチームを組んで患者さんの診療にあたることも多いです。 保健機関の場合は、保健所、保健センター、精神保健福祉センターなどで公務員として働く例もあるそうです。

そのほかでは教育・福祉分野、産業・労働分野、司法・法務・警察分野、大学・研究所など多岐にわたる分野で働くケースもあります。

衛生管理者

衛生管理者とは、労働環境の衛生的改善と疾病の予防処置などを担当し事業場での衛生全般を管理するものです。 会社によって確認する項目や注視する点などは違いますが、病院では主に健康管理(健診や禁煙パトロールなど)や職場巡視などをメインに活動していることが多いです。

なるには

第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の2種類が存在し、有害業務を含む業種でも働ける第一種衛生管理者と、有害業務を含まない第二種衛生管理者があります。

受験資格は、第一種と第二種で違いはなく最終学齢によって実務経験年数が変わってきます。

最終学歴実務経験年数
中卒10年以上
高卒・高認試験合格者3年以上
短大・専門学校・大学1年以上

一度合格すれば生涯使える国家資格なので、就職・転職の際に有利になると思われます。

働く場所

50人以上の労働者が常時働いている事業場なら、必ず衛生管理者を選任しなくてはいけません。ですのでさまざまな職種・業種で必要とされています。

有害業務を含む下記の職種では第一種衛生管理者が必要となるので、自身に合った資格選びが重要となります。

・電気業
・ガス業
・熱供給業
・水道業
・農林蓄水産業
・製造業
・運送業
・鉱業
・建設業
・自動車整備業
・機械修理業
・医療業

病院における役割

病院において、保健師、公認心理士、衛生管理者は安全衛生に関わる業務を行なっていて、職員の心体の健康や、メンタルチェックなどの指導、管理、相談などの対応をしています。

具体的には、職員の定期健康診断の案内・管理、ストレスチェック、職場巡視、体と心の相談・指導・教育、休職・復職者の支援などです。

私も職場のトラブルで相談したところ、第三者視点での一般的な意見を聞くことができたので、何が正しいのか考えるきっかけにすることができました。

まとめ

病院内には一般企業と同じように職員の安全衛生を守る職種や仕組みがありますが、さらに専門的な知識・資格を持った職員が在籍してい事も多いので、より働きやすい環境が実現しやすいのかなと思います。
もちろん、患者さんの対応もありますので外来や入院している患者さんも何かありましたら相談してみるといいかもしれません。