包括的ながん治療を!キャンサーボードについて

医療の人々キャンサーボード

病院の広報部の方からホームページの修正依頼がありました。私が入職した頃はWordpressでシステム課がホームページの更新を行なっていましたが、病院移転のタイミングで業者に新しくホームページを作成してもらい、広報部と業者でホームページの更新・修正をやっていたので新ホームページでは初めての更新作業です。新しいホームページではデザインも凝っていて簡単にはできなかったのですが、自作のCSSを追加したりして要望されたデザインになんとか合わすことができます。

その更新作業の中で、キャンサーボードという言葉が何度も出てきて気になったので、今回はキャンサーボードについて調べた内容を説明したいと思います。

キャンサーボードとは

キャンサーボード(Cancer Board)とは、直訳するとがん(Cancer)委員会(Board)で、手術や放射線療法及び化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師、その他の専門医師および放射線技師など医療スタッフが、がん患者の症状、状態及び治療方針を意見交換・共有・検討・確認するために集まる会議(カンファレンス)のことです。 つまりがん患者さんの診療について質的向上とがん診療各科の交流として、各専門領域の医師をはじめ多職種の医療者が包括的に議論し適切な治療方針を決定することを目的として行われている会議のことになります。

がんの治療では、外科的治療・内科的治療・放射線治療など多視点から最も適した治療方針を検討して、複数の治療方法を組み合わせて行う集学的治療が求められます。単独の診療科の医師だけでは難しい症例を中心に、放射線医師や放射線技師、病理診断科医師、薬剤師や看護師など他職種のスタッフで話し合って情報共有が行われます。

これによりがん診療の向上につながるだけではなく、日々のチーム医療においてもスタッフのレベル向上に繋がると思われます。

がん診療連携拠点病院

そんなキャンサーボードですが、厚生労働省が定めるがん診療連携拠点病院については重要なものになってきます。これに定められた病院はがんなどの悪性腫瘍で入院する場合は入院初日に500点の加算がありますが、その要件の一つとしてキャンサーボードの設置が義務付けられています。ただ設置するだけではなく、定期的な開催も求められています。

似たような名前で地域がん診療病院というのがあり、こちらはキャンサーボードの設置は義務付けられていないが、がんの集学的治療、緩和ケアの提供、地域医療との連携、専門医師やその他の専門医療従事者の配置などの整備を整えたことが評価されると指定されるものがあります。

うちの病院はどちらにも指定されていないようですが、推進部会を立ち上げがん診療体制向上を目指してキャンサーボードの設置などを行なっているようです。

活動内容

活動内容は病院によってさまざまだと思いますが、がん領域担当者、薬剤師、看護師、緩和ケア、病理などで構成される委員会を定期的に開催しています。内容としては、治療方針の検討や、転移したがんについての症例検討、化学療法に抵抗がある場合の検討など、毎月20〜30名の関係者が集まって議論しているそうです。

まとめ

偶然知った病院のキャンサーボードの活動ですが、病院内にはシステム課が関わらないことも多く、さまざまな活動が行われています。こういった活動でもバックグラウンドを知ることによって、トラブル時でも本当に必要な対応方法などを知ることができると思うので、積極的に調べることは大切だと思います。

システム課内だけではなく、さまざまな部署と交流を持って業務を知っていきたいと思います。 最近広報部は積極的に活動を進めていてyoutubeチャンネルを立ち上げたりして、動画編集なども行なっているので私も今回ので実績を売って、メディアや広報などマーケティングの分野にも手を伸ばしてみたいと少し目論んでいます。