固定IPとDHCPの違い、使い分けについて

医療情報システムDHCP

このブログで何回か事例を挙げていますが、病院内には主に2つのネットワークを使い分けています。1つは電子カルテや検査データなどを取り扱うイントラネットと、インターネットで検索などを行うインターネットがあります。 このようにネットワークが分かれている理由は下記にも記載しています。

このようにネットワークが分かれているのですが、それぞれのネットワークを利用するための設定方法も異なっているので、それぞれの特徴と使い分けについて説明したいと思います。

IPアドレスとは

IPアドレス(Internet Protocol address)とは、簡単にいうとコンピュータに割り振られている住所です。それぞれのコンピュータ同士が通信するのですが、その行き先や宛先が分からないとデータがきちんと相手に送れません。そのためにコンピューター1台1台にIPアドレスという、数字や文字列の羅列を割り当てて、正常に通信できるように設定する必要があります。

固定IP

固定IPとはその名の通り、固定のIPアドレスとコンピュータ1台1台に割り当てる方法です。コンピュータをネットワーク接続する際に最初に設定するので、設定を変えなければずっと設定したIPアドレスを使用するので、過去の通信などに遡ってもログが追いやすいなどの利点があります。

逆に欠点としては、同じIPアドレスを複数機器に割り当てることはできないので、割り当てたIPアドレスをきちんと管理する必要があります。

DHCP

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)の略で、自動でIPアドレスなどのネットワーク接続に必要な情報を設定してくれる機能のことです。この設定を利用すると、ネットワーク設定をする際にIPアドレスなどを割り当てなくても、自動的に使っていないIPアドレスを割り当ててくれるので、設定する手間が楽になります。

しかし、毎回違ったIPアドレスが割り当てられるので、過去の通信ログでの調査がちょっと難しくなったりします。

使い分け

固定IPとDHCPをどのように使い分けているのか紹介します。

電子カルテや検査データなど病院内の診療に係る主な部分は固定IPとして使われています。電子カルテを入力するパソコン1台1台や、レントゲンや検査機器などには固定IPが振られていることが多く、それぞれ院内SEがIPアドレスを振って管理しています。 固定IPを振ることのメリットとして、通信履歴が分かりやすいことと、ネットワークに繋げても自動的に設定されないので、セキュリティ強化にもつながることが挙げられると思います。

DHCPはインターネットにつながるネットワークで利用しています。インターネットで調べ物をするPCや、外部業者に委託してデータを送る際に使用されていたり、職員や患者さんのスマホ、PCで業務外のインターネット接続する際にDHCPを使っています。 DHCPにすることのメリットとして、職員や患者さんの私物機器を1台1台設定する必要がなくなることが挙げられます。

もしくはネットワークに接続する端子が複数あり、固定IPとDHCP両方設定されている端末も存在します。

まとめ

病院内のネットワークはセキュリティを重視しているため、情報流出のリスクを抑えてインターネットに接続されないネットワークと、検索など調べ物の利便性のためインターネットにつながるネットワークがあります。それぞれ設定方法も異なり、それぞれでルーターなど機器も管理しなくてはいけないので、機器や設定方法を把握しておく必要があります。