診療拒否になることも?!患者ブラックリストについて

医療情報システム電子カルテ

基本的に病院に来れば、具合の悪い患者さんは全員平等に見るのが医療従事者としての心構えだと思いますが、一部の患者さんは診療拒否や、病院への立ち入り禁止などの措置を取られる場合があります。

今回はそのような患者さんへの対応として、病院がどのような対策・対応をとっているのか紹介したいと思います。

患者ブラックリストとは

過去の病院を受診した患者で、職員や他の患者さんへの粗暴な対応をとった患者さんを要注意人物として登録されます。これをブラックリストと呼んでいます。一部の職員や患者さんにした行為でも、程度が酷ければ全体に共有して登録されます。

なぜこのような対応をとっているのかというと、職員へ患者さんへの粗暴を行った患者さんが、また次回も同じような行為を行う危険性がありますし、またそういった患者さんをみて気を悪くされた他の患者さんが別の病院へ鞍替えする恐れもあり、病院の運営にも多大な影響を与えてしまいます。

そこまで重大な問題を起こした患者さんではなくても、診療はするけどある程度の危険性を把握するためにも使用されることがあります。

もちろんが度が過ぎれば他の医療機関や警察にも情報共有をして、しかるべき対応を取ります。

管理方法

ブラックリストに登録された患者さんは、すぐに病院内に知れ渡りしばらくは注意しますが、時間が経ってしまいその内容を知らない新入職員が通してしまう可能性があります。それを防ぐために受付時に診察券を電子カルテに通した時に、自動的にブラックリストの患者かどうかがチェックされます。 職員による受付でも機械による受付機でも、登録された患者さんはエラーになり受付することができなくなっており、そこから発覚する場合もあるので安心です。

ブラックリストではなく、アレルギーや禁止薬剤などがある患者さん、または職員などを登録することができ、それぞれに合った画面表示されるので、適した対応を行うことが電子カルテで可能になっております。

事例

私が入職する以前の話ですが、酔っ払って受診した患者さんが職員へ暴言・暴力を行い問題を起こしブラックリストに登録されている事例がありました。その名残で、「カルテNo:xxxxxxは要注意」と書かれているドキュメント資料もみたことがありますが、電子カルテにも登録されており、おそらく同じ患者さんによる問題は発生していないと思われます。

なお、一度登録すると手動で解除する運営になっているので、自動的に解除されることはありません。おそらく解除するためにはその患者さんと話し合い、反省の色が見えたら解除できるのかもしれませんが難しいでしょうね…

病院は慈善事業ではない

病院は等しく平等に診療する場だと思いますが、著しく職員や他の患者さんに迷惑をかける場合はブラックリストに登録して、診療拒否してしまうのも正常な病院運営にとっては必要なことだと思います。正常な運営ができなくなると、病院の経営が傾きその地に根付いた医療体制が保てなくなるため、他の患者さんにとっても大きな痛手になり得ます。

電子カルテは診療に関わることだけかと思われますが、このように病院の運営にも大きく役立っており、今後も電子カルテ初め、医療情報システムの活用に期待されるかと思います。