院内SEに安寧の時はない?!停電作業について

医療の人々停電, 院内SE

私の病院では年に何回か電源系の定期点検のため、停電を伴った電源切り替えの作業があります。主に病院施設の担当職員が対応するのですが、院内SEも出勤して夜間対応に勤めています。 今回初めて私が夜間対応をしたので、その対応内容をご報告したいと思います。

停電作業とは

病院では電力会社から受電する一般電源と、非常時に使用する非常用電源を備えていることが多いです。特に沖縄では台風時に停電することもあるのでこういった備えは重要になってきます。

消防訓練や避難訓練と同じように非常時に実際に電源の切り替えが出来なかったら意味がありません。また長らく使っていないと使用したいときに使えない機械というのもあると思います。

そのような場合に備え年に何度か、受変電設備の定期点検作業が必要になってきます。

停電時の作業内容

院内SEの対応としては、普段使っているシステムが非常時にも正常に動作することを確認する必要があります。なので停電作業時に出勤していてシステムや各種PC機器の動作確認をしていきます。

前日準備

作業は停電作業前日から行います。停電時に電源が消えてUPSからの電源に切り替わるのですが、その際にサーバーがビープ音を出して異常な動きを検知します。その際に医療情報システム(電子カルテ)などの管理会社に異常発生のメッセージ送ります。 そのため、前日から電子カルテの管理会社やサーバーの管理会社にあらかじめ、停電作業を伴った電源切り替え作業を行うと伝えておきます。

UPSとは

UPSとはUninterruptible Power Supplyの略称で、日本語では無停電電源装置と呼ばれています。サーバーなど重要な機器はUPSを通じて電源が供給されており、もし電源系に障害が発生しても少しの時間なら止まることなく動作を続けることが出来ます。また、UPSのバッテリーからの電源供給に切り替わった際にシャットダウンするようになっているサーバーもあるので、非常時にも安全に電源を落とすことが出来ます。このような設計をフェールセーフと呼ばれています。

当日作業

当日は電源切り替え作業を行う少し前に出勤してきて、病棟や外来、コ・メディカル(検査科・放射線科など)のPCが終了されているか確認します。事前に停電を行うことを通達しているのですが、忘れていたり、PCを終了しなくても大丈夫だと思っている方もいます。 ノートパソコンならバッテリーで動くのでしばらくは大丈夫ですが、デスクトップパソコンなら停電が起こった瞬間に電源が落ちるので、故障を起こすリスクが高くなります。なので病院内を見回りながらパソコンの確認を行います。

その後停電が始まると、2~3分ぐらい照明が落ちて暗くなりました。サーバーがUPSだけで動き、サーバーのランプだけが点滅していました。 その後すぐに非常用の照明がつき明るくなると、パソコンから通常の電子カルテやPACSなどのシステムが正常に使えるか確認します。今回は何事もなく正常に動作していました。 ここで問題が起きると管理会社や業者に連絡するなど大事になるので、緊張していました。

電源が切り替わると外では、発電機の音が結構大きな音で鳴っていました。 正常にシステム系が動作していることを確認したら基本的に院内SEとしてやることはありません。あとは何度か電源切り替え作業のあと、一般電源が復旧する連絡を待ち、一般電源でも正常にシステムが動いていることを確認して、病院内のパソコンを確認します。

トラブル

今回起きたトラブルとして、非常用電源に切り替え後、外来診療科の中からビープ音がずっとなっていました。確認してみると、UPSからなっていてどうやらバッテリー低下のビープ音のようです。外来診療科では非常用電源にUPSが繋がっておらず一般電源が切れるとバッテリーが低下していっていたようです。しかしUPSに繋がっている機器はシャットダウン処理を行っていたので、特に大きな問題はないと判断してUPSの電源を切り、一般電源普及後に電源を入れなおしました。 外来診療科に非常用電源がなかったのは今後の課題として後日上司に報告したいと思います。

夜間作業時のまとめ

今回院内SEとなって初めての夜間停電対応だったのですが、夜間の病院という非日常を体験出来て少し楽しみでもありました。病棟の看護師さんたちはいつも夜勤でいるのでいつもの日常かもしれませんが。 システム開発しているときもたまに徹夜作業などありましたが、それは納期に追われていたので、ストレスしかありませんでしたが、院内SEの夜間対応はトラブルなどなければ非日常感を体験出来て悪くないものだと思いました。(深夜残業代もつくので後日楽しみです(笑))

台風時の夜間待機などはまた辛いものもあると思いますが、こういった定期点検の作業ならたまにやってみるのもいいかもと思います。