地域医療支援病院について
私の働いている法人の病院では、地域医療支援病院というのに分類されていました。普通の病院とはどこが違うのか具体的に分からなかったので調べてみました。
地域医療支援病院とは?
地域医療支援病院とは医療法で定められた医療機関の区分の一つで、下記のように記されています。
地域医療支援病院は、医療施設機能の体系化の一環として、患者に身近な地域で医療が提供されることが望ましいという観点から、紹介患者に対する医療提供、医療機器等の共同利用の実施等を通じて、第一線の地域医療を担うかかりつけ医、かかりつけ歯科医等を支援する能力を備え、地域医療の確保を図る病院として相応しい構造設備等を有するものについて、都道府県知事が個別に承認しています。
簡単にいうと地域の医療を支援する病院のことです。
患者さんはより身近な地域での病院や診療所で入院診療、外来診療、往診、訪問診療などを受けますが、地域の病院などで応対できない場合や特別な医療機器が必要になったときに、地域医療支援病院に患者さんを紹介して、特殊な医療機器や病床などを共同利用するといった考え方で地域医療の確保を支援している病院となります。
なので、原則として紹介外来制を実施しており、紹介状を持っていない場合は選定療養費といって通常の費用より高く負担がかかります。 また、24時間体制で入院治療を必要とする重症救急患者に必要な検査や治療を実施していたり、集中治療室の整備や救急用自動車などの配備をしています。
そして、必要な治療や入院を終えた後は患者の意思を確認した上で地域の病院や診療所などに紹介(逆紹介)も推進しています。
沖縄県内では7つほど地域医療支援病院がありますが、離島にはないので高度な医療を受ける場合は本島の方に来る必要があります。
地域医療支援病院の要件
地域医療支援病院になれる要件のとしては、
- 紹介患者中心の医療を提供していること
- 救急医療を提供する能力があること
- 建物、設備、機器などを地域の医師などが利用できる体制があること
- 地域医療従事者に対する研修を年12回以上行っていること
紹介状を持って受診する患者さんの割合を紹介率と呼びますが、この紹介率が65%以上が目安となります。
風邪かなぁと思って気軽に受診するのではなく、一度地域のかかりつけ医を受診し、受診した病院から紹介状をもらって受診する流れとなります。 このように紹介状が必要な理由としてはかかりつけ医との機能分化を明確にするためです。
また、救急車の受入件数も多かったり、医療機器の共同理由としてCTやMRI、エコー機器やバスキュラーラボ、内視鏡検査などを利用するため紹介を受けることも多いです。そのためかかりつけ医から直接検査予約もできる体制が整っていたりします。
地域の医療重視屋への研修も多く行っていて、認定看護師も大勢在籍していて講師として研修を主催することもあるそうです。
地域医療支援病院の役割
なぜこのような地域医療支援病院が必要になったのかというと、急速な高齢化と疾病構造の変化が背景としてあると言われています。
若い世代は感染症や外傷、栄養障害など外因的疾患で病院に掛かることが多く根治することが多いです。 しかし、高齢者になると生活習慣病の生活スタイルによる疾病(急性心筋梗塞、脳出血などの心血管系の疾患)や認知症やパーキンソン病、寝たきりなど長期的に病気と付き合わないといけないケースも出てきます。
そのため治す医療から、治し支える医療へと変化しています。
今後は病院や施設で完結していたモデルから、かかりつけ医やデイサービスなど自宅や地域を中心とした地域完結型医療へと転換する必要があります。
院内SEとして関わり
このように病院では紹介状を多く受け付けたり、逆にかかりつけ医に逆紹介する場面のあるので紹介状のテンプレートを用意している場合があります。
私の病院では紹介状の内容をテンプレート化していたり、送付先の住所録なども管理するプログラムを院内開発していました。図なども導入できるように結構機能が作り込まれていたり、紹介状を作成するMAさんなどの要望も取り入れ日々改良されています。
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